私も最初は、このマタイ５：３の言葉の素晴らしさには気がつきませんでした。この言葉について、御父上様にとり本多庸一先生が果たしてくださった役目を、私には手島郁郎先生がなさってくださいました。
　手島先生は「幸いなるかな」を英語でなくてギリシャ語の「マカリオイ」という言葉を使って教えてくれました。また、同じようにギリシャ語で解説すれば、「貧しい者」という言葉は「プトコマイ」という言葉で、その意味は「乞食」だということも教えてくれました。
「乞食のような心で主様にすがりつくように求めるんだよ」とも言いました。
　大事なことは、口語訳では「心の貧しい人は幸いです」と平板に訳しているけれど、これは惜しい。本多庸一先生が教えられたように、この「幸いなるかな」という言葉を真っ先に持ってきて、勢いをつけて訳すべきです。
　私はこの聖書の箇所を「イエス様の幸福宣言」と呼んでいます。
　イエス様はその権威において、「お前たちは、どんな境遇や、どんな精神状況に居ろうと、私は宣言する、お前たちは幸福なんだ。また私はお前たちを必ず幸福者にする。すべて重荷を負うて苦労している者たちよ、私のもとに来なさい、私のふところに飛び込みなさい、あなたがたに真実の平安を与え、幸福にしてあげる」とおっしゃっているのだと言いたいのです。
　イエス様の宣言は生半可なものではありません。私たちの生来の罪、生涯に為し来たりし全ての罪を一切赦し、更に清め、力を与え、愛と善の人生を送らしめ、クリスチャンとして完成させ、天国に迎えてくださる凄い約束なのです。
　イエス様のお言葉には神の力があります。逆に悪魔の言葉には悪魔の力があります。同様にクリスチャンの言葉にはクリスチャンとしての力があるべきです。クリスチャンはすべて、この尊い力を頂いているのですから。
　大胆な言葉の力を日本人は昔から言霊(ことだま)と言って、知っていました。
　次は永井明先生のお勧めです。
　毎日３度は、鏡の前に立って、自分の顔に向かって言いなさい。「いつも喜びます。絶えず祈ります。すべてのことについて感謝します」と。
　いつも顔の暗い人がいました。この永井先生の奨めに従って毎日「いつも喜びます、絶えず祈ります。すべてのことについて感謝します」とやっていました。そうすると、最近ではすっかり明るい朗らかな人に変わったそうです。私はこうしたイエス流の明るい約束の言葉を「天国語」と呼んでいます。
　日常座臥、常に「天国語」を語りましょう。特に３ヶ月以上続けたら、奇蹟的変化があなたの人生に起こることを私は信じます。キリストの福音が単に来世的なことにとどまらず、今日ただいま、私たちの人生に実現する尊い偉大な力であることを、すべてのクリスチャンに実証してほしいものです。
　　　　　　　　　　[この項終わり]