ギリシャ語で愛という言葉は５つあるそうです。
　ヨハネ福音書24：15〜17の中での「愛する」という言葉の原語はアガペーとフィレオーの２つに分かれています。15、16のイエス様のお言葉はアガペーですが、17に出てくるイエス様の「愛する」という言葉はフィレオーになっています。それに対し、ペテロの答える15、16、17の「愛する」は、すべてフィレオーなのです。
　アガペーは神様やイエス様の愛で、命を捨ててまで罪人を愛してくださる神的な愛です。それに対しフィレオーは人間同士の「親しみの愛」だそうです。これも良い愛ですが、アガペーには劣ります。
　ギリシャ語の愛で、広く知られているのはエロースです。これは性的な愛を示します。世間で言うエロチックのエロの語源です。しかし、ギリシャ古典では真理を求める良い意味でも（プラトンなども？）使われているそうです。
　もう一つは、肉親愛。つまり親子や兄弟、夫婦の間の愛をストルゲンと言います。よく人間の愛の中では、母が子を愛する愛以上に深い愛はないだろうと言われます。アメリカでの実例ですが、ある母親が自分の子供が目の前で自動車にひかれるということがおこった。そのお母さんはいきなり自動車に飛びついて車を引き上げ、子供を助けたそうです。お父さんだって、同じです。韓国の釜山での実話。鉄道のレールの上で子供が遊んでいました。そこへ電車がブレーキかけながらも迫って来る。そばにいたお父さんが「危ないッ」と叫びつつ、飛びこんで子供を撥ねとばしたが、そのお父さんは死んでしまったと言います。これも肉親愛です。
　これらの親の愛は、たいてい自分の子供に対してだけで、他人の子供に対して発動しません。その点、閉ざされた愛です。
　しかし驚くべきは、先年の日本で駅のホームから落ちた人を救った韓国の一青年のことです。この青年が落ちた人を救い上げ、そして自分は列車に轢かれ死んでしまったという忘れがたい事件のことです。
　こうした神様のアガペーの愛にも似た、すばらしい行動を起こして下さる人が時には居るということ、本当に驚異、感謝です。

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