今、日本では「いじめと自殺、それと子殺し」が大問題です。この問題の前では、経済問題も外交問題も小さい問題ですよ。母親が４歳の幼児を殺した、こんなニュースが連日のように飛びだしてくる国は世界で日本だけではないでしょうか。
　日本経済はアメリカについで世界第２位、文明や文化についても、世界的に傑出した国だと自負しても可笑しくはないと、思っていました。
　しかし、生活が苦しくての心中まがいの「子殺し」ではない、「うるさいからカッとなってなぐり殺した」など、こういう有様は日本よりはるかに文明度の低い国と思われている後進国の国々でも、聞かれない話でしょう。
　日本には昔、教育勅語というものがありました。その中に、たしか「父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ……」などとあったと思うが、「親は子を殺すな」などとはありもしませんでした。当たり前に過ぎたからでしょうか。
　経済水準、教育水準、こうしたことに日本がどれほど高くても、子ども同士や、子どもに対する親の人格尊重は、世界最低なのかもしれません。
　どこかで「心」が失われたせいなのでしょうが、このための日本のキリスト教会の負うべき責任は重いと思うのです。
　今こそ、全教会の祈りの結集が求められているのでないでしょうか。また、日本の宗教界全体が目を覚ます時だとも思うのです。