「天国は、パン種のようなものである。女がそれを取って三斗の粉の中に混ぜると、全体がふくらんでくる。」(マタイ13・33）

「信仰をすすめるためのノウハウ」と言ったことについて述べてみます。ノウハウという言葉は、単に実践的な方法という意味あいにお受け取りください。
　以前、テレビで「食べていますか？ 微量金属」という番組がありました。昔は不可能だった、食品の微量金属の分析が可能になったという話です。わずか１ミリグラムほどのの量でも、ある種の金属が人間の生体に大きい影響をもたらすのだそうです。微量の投与で血管が膨張して高血圧が下がる物質もあるのだそうです。
　蛋白質、澱粉、あるいはビタミン、などという重要な栄養素のほかに、このような微量な金属がからだの上に重大な影響を与える……、これに似たことが信仰を進めて行く上でも起りはしないか、そんなことが考えられるのです。
　キリスト教の教理の上で、栄養の四大要素などにたとえてみますならば、「神について、三位一体、キリスト論、十字架、聖霊、教会について」、そんなことが大きな題目でしょう。信徒のかたがたはいずれこうした事について学ばねばなりません。しかし、これだけで信仰が健康に成長するかというと、どうもうまく行かないことが多いのです。
　こういうとき必要なものが、前述の食品の例で言えば微量金属にあたる何かですね。それは教理的には小さな分野かしれませんが、大いに信仰を助けます。
　20年ほど前に出たマ−リン・キャロザ−スの「賛美の力」という本は私たちに異常な信仰革新を与えました。古い例を持ち出せば私に神癒伝道の上で大変な影響を及ぼしたオズボ−ンという先生の「告白の信仰」、これも重要な実技的教えでありました。
　先だってのメルカム・マコロウレイス師の「聖霊の声を聞く」学び等も、この例の中に入れてよいでしょう。このような実技的ノウハウをつかむと信仰は驚くべき成長強化を遂げます。
　もちろん、これらのものは副作用、つまり危険もはらんでいます。傲慢な信徒や、行き過ぎた熱心党の信徒を生み出しやすいことは警戒すべきです。