「人には出来ないが、神には出来る。神はなんでも出来るからである」という聖書の言葉があります。しかし、ちょっとヘンですが、神様にも出来ないことが２つあるのです。
「えっ？」と興味を持たれるでしょうが、第一は、神様は御心で思われない事をすることはできません。ですから、悪いことをすることは出来ません。ギリシャ神話や日本の神話で悪いことをしたり失敗したりする神様が出てきますが、あれは本当の神様ではないからです。
　本当の神様はただ一人の神様、清い神様です。国で天皇様や大統領、会社で社長さん、家ではお父さん、それぞれ一人です。二人いるなんてことはありません。それは組織全体を治める者はただ一人であるべきだと、神様が決めてあるからです。二人いるとしたらどちらかが偽物です。聖書の言葉を引用すると、「すべて父と呼ばれているものの源なる神」と書かれているのがその意味です。
　もう一つ、神様に出来ないことというのは、人の心を無理矢理に動かすことです。なぜかと言うと、神様が人間に自由意志をお与えになったからです。人間以外の生物は肉体のほかに心に似たようなものは持っていますが、自由な意志は持っていません。みな本能だけで生きています。だから物を壊したり、喧嘩をしたり、他の生物を食べたりしますけれど、罪は犯しません。
　人間は、してはならないと知っていながら、悪いこと、特に神様の戒めにそむことをしてしまいます。神様は罪を絶対犯さないように、とは人を造らなかったのです。却って、罪をも犯す事が出来るようにと、自由な意志を与えてくれました。その自由な心で神様に従い、神様を愛し、神様の栄光を現わすこと、それを神様は期待しておられるのです。