以前、大分県の田舎で、ひとり住まいの73歳の老人の家が火災に遭いました。その老人は消火活動をしていましたが、いつの間にか見えなくなります。ペットの愛犬を捜しに家の中に入ったのだそうです。その焼け跡から老人の焼死体が見つかりました。
　私は、この新聞記事を見て涙が出ました。
　最近、小動物などを虐待、殺害する事件のの多い地方では、やはり幼児や弱者に対する傷害事件も多いと聞きます。私たちはすべての生き物に対して優しくありたいものです。聖書は言います、「正しい人はその家畜の命を顧みる。悪人は残忍をもって、あわれみとする｣(箴言12･10)と。
　イエス様は言われます、「あわれみ深い人たちは幸いである。彼らはあわれみを受けるであろう｣(マタイ５･７)と。
　あの愛犬と共に焼死された老人はどうでしょうか。その時、主は私にもう一つの聖書の言葉を思い出させて下さいました。
「主よ、あなたは人と獣(けもの)とを救われる｣(詩篇36･６C）。
　教理的なことはともかく、この老人と、その愛犬がいっしょに天国に駆け入っていく場面を想像して、私はホッとしたのであります。すべての人が、憐れみの心をもって接するところ、そこが天国の門です。