キリスト教は祈りの宗教です。宗教であるなら、どの宗教にも祈りはある筈ですけれど、それはたいてい神主さんや、お坊さんや、祈祷師に、お布施や祈祷料を添えて、御祈祷を頼むのです。
　キリスト教でも勿論、牧師は祈ってくれますが（でも祈祷料を牧師に持って行くなんて聞いたことがありませんね）、信者さん自身も祈ることができるのです。いいえ、信者さん自身が祈らねばなりません。
　ところで、この肝心の祈りについてですが、祈る言葉の型式や、沈黙でいいのか声を出すべきなのか。あるいは祈るときの姿勢、時間、場所。また徹夜の祈りや、断食の祈りはしなくてはならないのか。いろいろと迷う方も多いでしょう。
　それどころか、実は何を祈ったらいいのか、分からないという人もいるはずです。ものの５分も祈ったら祈ることなんか無くなってしまう、そういう方も多いでしょうね。
　そういう方にお奨めします。目の前に起こる一切の事、また、あなたの心に浮かぶ喜びや希望、恐怖、疑問、それらをそのままを祈りに変えて神様に祈って下さい。何でも「事ごとに」祈るのです（ピリピ４・６）。これは誰でもできる、そしてやさしい、何時でも何処でもできる祈りなのです。