ある日の新聞記事。大分市議会の議事堂の屋上にカラスが小石をつまんでは、あちこちに運んで落すのだそうです。そう言えば市役所の窓から見たことがありますね。議事堂の平らな屋上にはバラスを敷きつめてあるのですが、これは設計者の思いつきの、一種の遊びでしょう。が、その遊びを手玉にとってカラスが遊ぶとは……。
　こういうカラスのいたずらは有名です。
　カラスは、ずいぶん賢いのだそうですね。たとえば、南洋のある島のカラスは道具を作るのだそうです。「人間とは道具を作る動物だ」という定義があります。そのカラスはまさしく人間クラスか？　少なくとも石器時代の人間よりは賢いのではないかと、ある学者の意見。
　かつて拡大宣教学院のそばの森にカラスが群れて喧しくて困りました。永井先生とＭ宣教師が「エリヤの為には肉とパンを持って来たカラスよ。なぜ、今我々を妨害するのか」と叫んだら、カラスは退散してしまったそうです。確かに、賢い。
　聖書にあります。預言者エリヤが田舎の川のほとりに隠れているとき、カラスが彼の為に朝ごとにパンと肉を運んだといいます。「バカな、そんなことがあるものか」と言う人もありましょうが、いいえ、カラスのほうこそ、神の声を聞き分けるのかもしれませんよ。