主の祈りで「天にまします我らの父よ」と教えられました。父なる神様のおられる所が「天」なのです。これは紺碧の大空をさすのではありません。また、宇宙空間をさすのでもないのです。また悪霊たちが浮遊する地上の空間でもないでしょう。父なる神とイエス様、そしてイエス様の十字架の死により贖われたクリスチャンたちの霊者の居られる所、ということである。
　かつて、天に召された過去の兄弟姉妹たちの祝福を祈って集う礼拝を「永眠者祈念礼拝」と称していました。永眠とはなんだろう、たしかに聖書でも主を信じる者の死んで天に召され行く場合、それを「眠りにつく」と記録しています（ステパノの例など）。肉体的に死んだ方は眠ったように見えるし、また死後しばらくの間、眠っている霊的場所があるのだろうと私は解釈しています。しかし主にあって肉体の死を体験するクリスチャンたちはいつまでも眠っているはずはないと私は思っているのです。主のいます天にあって学び、訓練され、ご奉仕する機会が十分にある筈だと思うのです。
　カール・ヒルティは言っています。「天国は果敢に働く所である。安閑としている場所ではない」と。
　ある時、私は天にいるはずの父の姿を夢の中で、ただ一回だけ見たことがあります。それが本当に父の霊なのかは私に判断できません。しかし、参考としてここに書いておきます。
　その夢に出てきた父の姿は案外に疲れ、傷つき、弱っていました。
「お父さん、どうしたんです」と聞くと、「日本中を駆け回ってイエス様のお手助けしている。この疲れも傷も、イエス様のところに帰ればすぐ癒されるんだよ」。
　私は懐かしい父のその姿に打たれました。