「Abbreviations Used in Sex Ads」という英語の風俗資料がある。
　アメリカで、性に関する広告(ads)に用いられる略語（abbreviation）の一覧である。
　ただし、時代はインターネットが普及する以前である。（その意味では、ちょっと古くなっているかもしれない）
　当時、セックスパートナーを求める広告などは新聞・雑誌にのせた。広告料金は文字数で決まるから、極力略語を使って文字数を減らすくふうがなされたのである。

　このあたりの事情はかつて、わが国の新聞・雑誌の不動産広告、求人募集なども同じだった。
　陽当良　駅至近　買物便
　寮有　普免要　経不問
　などなど。
　日本語では漢字の簡潔さを最大限に生かしている。
　英語では略語を活用するしかない。
　さて、以下に英語の性の略語を紹介していくが、日本語訳は筆者である。

１ w/m white maleの略で、白人男。

２ w/f white femaleの略で、白人女

３ b/m black maleの略で、黒人男

４ b/f black femaleの略で、黒人女。

５ bi 　bisexualの略で、異性愛も同性愛も。要するに両刀使い。

６　g　 gayの略で、男の同性愛者。ホモともいう。

７　 sあるいはstr　 straightの略で、ゲイ（ホモ）ではない男。

　１〜７を組み合わせて使用すると、たとえばつぎのようになる。
　g/b/m 　gay black maleの略で、同性愛の黒人の男。

８ 8B&D bondage and discipline の略で、緊縛と調教。先日亡くなった団鬼六の世界である。

９ S&M 　sadomasochismの略で、いわゆるＳＭである。筆者はＳＭはまったくの和製英語と思っていたが、英語でもS&Mで通じるようだ。

10 w/s 　water sports の略で、聖水愛好者。いわゆるゴールデンシャワーである。飲尿もふくむ。

11　scat scatologyの略で、糞便愛好者。

12　Fr Frenchの略で、オーラルセックスのこと。（よくフランスが抗議しないものである）

13　Fr a French activeの略で、オーラルセックスの攻めタイプ。

14　Fr p French passiveの略で、オーラルセックスの受身タイプ。

15　Rear F Rear Frenchの略で、アナルなめのこと。

16　Gr Greekの略でアナルセックスのこと。（よくギリシアが抗議しないものである）

17　Gr a Greek activeの略で、アナルセックスの攻めタイプ。

18 Gr p Greek passiveの略で、アナルセックスの受身タイプ。

19　tpmn top manの略で、攻め好きのタイプ。時にはサディズムの傾向。

20　btmn bottom manの略で、受身タイプ。時にはマゾの場合も。

21 enem enemas(given)の略で、浣腸願望。するのではなく、されるほう。

22 BB bodybuilderの略で、ボディビルで鍛えた肉体。

23　TV　transvestiteの略で、服装倒錯。男の女装や、コスプレであろう。


　じつは、以上ですべてではない。
　掲載しなかった略語のほうが多い。
　べつに公序良俗を乱すことを恐れて割愛したわけではなく、筆者にも意味が理解できず、日本語訳が不可能だったからである。

　さて、理解できなかったのは、筆者の英語力の不足によるものだろうか、それとも筆者の性体験の不足によるものだろうか？
　う〜ん、思いは複雑である。
　ともあれ、相変わらずのエロ話になってしまったようだ。