前回（「吠165　熟女の痴態」）、拙宅に送られてくるアダルトグッズ（性具・媚薬・成人向けビデオ）のカタログに、高齢化社会を反映して、熟女物のビデオやＤＶＤが増えたと書いた。

　このほど届いたカタログを見て、「う～ん」とうなってしまった。
　熟女物の割合がさらに増えていた。しかも、内容がさらに過激になっていた。
　まあ、これも筆者がじっくりカタログを鑑賞したからこそわかったことなのだが。

『超熟ラプソディー』というシリーズがあり、その惹句は以下の通りである。

　完全撮り下ろし！　晩熟間近の放つ香気都（おそらく馥郁の間違いであろう）たる芳香をアナタに……

　そして、第５巻は、
「貪欲にオトコの性を全身で搾りとるよう、これでもかと濃厚フェラチオ！　激しく、イヤらしく、熟熱ボディ」
　で、女性は63歳である。

　第４巻は、
「長い髪を振りみだし、騎乗位でヨガリ狂う65歳！　超熟ボディは色香たっぷり、芳しい香りは男性を妖しく惑わす！」
　で、コピーにあるように女性は65歳。

　第10巻は、
「熟しきったマ〇コはローターでイカされ、バックからバイブで弄ばれる！　超熟ボディの魅力に貴方はもうメロメロ！」
　で、女性は70歳。

　もう引用はこのくらいにしておくが、それぞれあからさまな写真付きである。女性の顔や裸体（超熟ボディ）がはっきり鑑賞できた。
　それらの写真をここで紹介できないのが残念である。

　さて、誤解を怖れずに言うと、63、65、70歳の女性の痴態と裸体を見ても、さほど「醜悪」な感じがしない。
　美しいとまでは言わないが、それなりにエロティックである。少なくとも筆者はそう感じた。
　これは、いったいどういうことか。

　筆者自身がそういう年齢になったからであろうか。
　それとも、最近のカタログでそんな写真をしばしば見て、もはや慣れてしまったからだろうか。
　つまり、これこそが高齢化社会ということなのであろうか。

　さらに驚いたことがある。
　カタログに載っていた、世界最高齢のＡＶ男優徳田重男氏が主役のＤＶＤ『老人と性』である。
　徳田氏はアメリカのテレビＣＮＮが取材に来て、世界中に放映されたことから一躍有名になったそうで、昭和9年生まれという。
　なんと、今年（2010年）、76歳。

　ＤＶＤの惹句に曰く。
「パワーを貰え！　立ち上がれ中高年諸氏！　花棒復活！！」
「世界のメディアが大注目！！　ＣＮＮ出演をきっかけに世界で認められた現役ＡＶ男優最年長No1」
「撮影取材陣も震撼させたワールドクラスの性行為に年齢は関係ない！　伝説の映像をお届け」
「高齢化社会に問う！　歳は老いても性欲壮健！」
「世界が認めたＡＶ界の金メダリスト！」

　う～ん、読んでいるだけで楽しくなる。というより、ワクワクするではないか。
　
　それにしても、ＣＮＮが取材に来たというだけで、その人は一躍、日本のマスコミで時の人となるのが常ではなかろうか。
　こんなときの日本のマスコミの表現は決まっている。
「世界の〇〇」

　ところが、筆者は上記のカタログを見るまで、徳田氏のことをまったく知らなかった。少なくとも、マスコミで取り上げられたのを読んだり、観たりした記憶はない。
　日本のマスコミはＡＶ男優ということで、徳田氏を無視したのだろうか。
　ちょっと納得がいかない。

　徳田重男氏の存在は高齢化社会の人々（すべての人々とは言わないが、かなりの割合の人々）にとって、まさに希望の星ではないか。
　こういう分野で先端を走るのは、日本の役割のひとつではないか。平和外交の一環といえよう。
　少なくとも、無視してはならないと思うがなぁ。
　事実を事実として伝えるのがマスコミの使命ではないのだろうか。