かつて男の道楽を「呑む打つ買う」と言った。
　呑むは酒、打つは博奕、買うは女郎買いである。
　今で言えば、アルコール、ギャンブル、女遊び（不倫や浮気、風俗店もふくめ）であろう。

　さて、大手製紙会社の前会長が関連会社から私的に百億円を超す金を借り入れ、返済できなくなっているという。
　金の使い道はラスベガスやマカオ、シンガポールのカジノなど、ギャンブルのようだ。
　ずいぶん以前になるが、千葉県選出の国会議員がラスベガスのカジノでおよそ40億円もの負債を作り、大手宅配便会社の社長に肩代わりしてもらうと言うスキャンダルもあった。

　これらを考えると、呑む打つ買うのうち、「打つ」がもっとも怖いと言えよう。
「呑む」も「買う」も肉体的な限界があるからだ。
　いくら酒が好きでも、またどんな高価な酒であっても、40〜100億円分も呑めるはずがない。金を使い果たす以前に、アルコール中毒で入院であろう。
　また、どんな高級ソープランドでも高級娼婦でも、40〜100億円分も使えるはずがない。金を使い果たす以前に、いわゆる腎虚になってしまうであろう。

　もちろん、「呑む」と「買う」を勧めているわけではないのだが。

　さて、前回「吠239　The Sensuous Woman」で紹介した、アメリカの女性向けセックス指南書『The Sensuous Woman』に、「男の性的ファンタジー」という章がある。
　著者のJが親しい男性8人から聞き出した性的ファンタジーである。
　Jが読者の女性に言いたいのは、
「男はこういう妄想を持つ生き物なのです。良い悪いの判断をすべきではありません。男たちはこういう妄想をいだいていると認識するのが大事です」
　ということであろう。
　なかなか面白いし、意義もあることだと思うので、以下に示そう。日本語訳は筆者である。

Fantasy　Number One
　ほかの女を想像しながらセックスするというもの。
　彼はあなたとセックスしているとき、往々にして頭のなかでは別な女性――女優や、隣の奥さんなどを思い描いているかもしれません。
　あなたには耐え難いことかもしれませんが、これは事実であり、どうしようもないことです。

Fantasy　Number Two
　見知らぬ美人が鎖で壁につながれています。彼は女の体をさわりました。
初め女は、
「やめて、やめて」
　と必死で抵抗していましたが、やがて彼の抜群のテクニックで感じ始め、ついにはよがり声をあげます。
　彼が鎖を解いてやると女は彼に身を投げ出し、ふたりは激しいセックスをするというもの。

Fantasy　Number Three
　最低でもふたり、時には３人、４人、５人、あるいは６人の人種や体型も異なる様々な女に囲まれ、やりまくるというもの。

Fantasy　Number Four
　抵抗できない状態に置かれた彼を、女が性的にもてあそぶというもの。

Fantasy　Number Five
　パーティーに招かれた多数の女と、次から次にやりまくるというもの。

Fantasy　Number Six
　ビルの多数の部屋には人種や体型、年齢、性的傾向の異なる女が住んでいて、彼はすべての部屋を訪れ、それぞれ違った方法で女たちを満足させるというもの。

　８人から聞き取ったにしてはファンタジーは６個しかない。
　じつは、８のうち３人がFantasy　Number Threeだったという。

　ふ〜む。
　じつは筆者も上記と似たようなファンタジーをいだいている。
　何番目なのかはもちろん秘密である。